アロマテラピーとは
アロマテラピーとは
アロマテラピー(アロマセラピー)とは植物から採取されるピュアーな精油(エッセンシャルオイル)を使った「芳香療法」です。香りが人間の嗅覚を通して脳に働きかける作用やトリートメントによって皮膚に吸収される作用により、人間の自然治癒力を高め、疲れた心身を癒してくれます。 *「アロマテラピー」と「アロマセラピー」は同じ意味です。アロマテラピーは仏語読みを、アロマセラピーは英語読みを日本語表記したものです。社団法人 日本アロマ環境協会では、アロマテラピーおよびその目的を以下のように定義しています。
アロマテラピーの定義
アロマテラピーは精油を用いてホリスティックな観点から行う自然療法である。 *ホリスティックとは、クライアント(患者)の身体の不調に対して、その部分だけの問題ととらえず、心も含めた全身的・全人格的なものとしてアプローチすることです。
アロマテラピーの目的
- リラクセーションやリフレッシュに役立てる
- 美と健康を増進する
- 身体や精神の恒常性の維持と促進を図る
- 身体や精神の不調を改善し正常な健康を取り戻す
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精油(エッセンシャルオイル)について
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹脂などから抽出した、活性成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質です。
精油(エッセンシャルオイル)は、各植物によって特有の香りと機能を持ち、アロマテラピーのベースとなる素材です。
精油(エッセンシャルオイル)の例
抽出部位 | 代表的な精油名 |
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花 | カモミール、ローズ、ネロリ、イランイラン |
葉 | ローズマリー、ペパーミント、ティートリー、クラリセージ、ゼラニウム精油 |
花と葉 | ラベンダー |
果皮 | スイートオレンジ、ベルガモット、レモン |
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樹脂 | ベンゾイン、フランキンセンス |
木 | サンダルウッド、インセント(ヒノキ) |
果実 | ジュニパー |
人気の精油(エッセンシャルオイル)の主な作用
代表的な精油のなかから、いくつか人気のものをご紹介します。
ラベンダー精油(学名:Lavandula angustifolia)
アロマテラピーで一番多く使われているラベンダー精油には、こころを落ち着ける鎮静作用や、ストレスによる不安や緊張をときほぐし安定した精神状態へと導く作用もあり様々な場面で活躍する精油です。安眠作用も期待されていますので、神経が張り詰めて眠れない夜などに試してみるのも良いでしょう。
ローズオットー精油(学名:Rosa danascena)
甘く優雅な香りのローズオットー精油は1㎏の精油を抽出するのに約3~5トン*のバラの花を必要とされる、とても希少性の高い精油です。ローズの香りは「幸せホルモン」と言われる「オキシトシン」の分泌を促すと言われ、心を明るく華やかにしてくれます。又、女性ホルモンの調整や強壮作用、抗炎症作用、アンチエイジングや美容にもその作用が期待されています。
*AEAJ調べ。産地や生産条件により異なります。
ティートリー精油(学名:Melaleuca alternifolia)
オーストラリア先住民に古くから使用されているティートリーは、抗ウイルス、抗菌作用があるといわれ、皮膚病の治療などにも用いられてきました。又、風邪や花粉症にも作用が期待されており、冬の季節には特におすすめの精油です。ハーブ系、柑橘系、樹木系など相性の良い精油が多いので、その日の心と体のバランスに合わせてブレンドを楽しむのもおすすめです。
フランキンセンス精油(学名:Boswellia sacra(Boswellia carteri))
Frank(真の)Incense(薫香)という意味を持つフランキンセンス精油。木の樹液をもとにつくられたこの精油は、古代エジプトでは宗教儀式でも使われ神聖なものとして扱われてきました。スパイシーかつウッディな香りで、イライラや不安など乱れがちな心を穏やかにしてくれます。また、深い呼吸へと導き集中力を高める作用も期待されているので、ヨガや瞑想の時に用いられることも多い精油です。美肌に良いとされ近年ではスキンケアにも広く使用されています。
スィートオレンジ精油(学名:Citrus sinencis)
オレンジの果皮から抽出するスィートオレンジ精油は甘くさわやかで多くの人が好まれる香りです。こころを前向きにするリフレッシュ作用などが期待されるほか、柑橘系では数少ない光毒性成分*がほぼ含まれていないので、日中にも気にせずに使用できるのも人気のひとつです。また、血行促進・老廃物の排出を促す作用や、主成分である「リモネン」には髪や頭皮を健康にする作用も期待されているので、ヘッドトリートメントなどで使用するのもおすすめの精油です。
*光毒性・・・日光などの紫外線に反応し皮膚に炎症や色素沈着を引き起こす可能性があること。
ゼラニウム精油(学名:Pelargonium graveolens)
ゼラニウムの花は世界中で多数の種類が栽培され観賞用としても人気ですが、精油でよく使われるのが主に「ローズゼラニウム」です。ローズの甘く華やかな香りやグリーン系のさわやかな香りが特徴で、その香りは女性ホルモンのエストロゲンに作用し、ホルモンバランスの乱れを整えるといわれています。また、心の高ぶりや緊張をときほぐす助けとなるので、眠れない夜にもおすすめです。。
イランイラン精油(学名:Cananga odorata)
インドネシアなどの熱帯地方が原産のイランイランは、黄色の可愛らしい花が咲きます。昔から香水や化粧品に使用され、魅惑的な香りとして知られていますが、鎮静作用や抗うつ作用、誘眠作用も期待されており、心が波立ち眠れない夜にイランイランを使用して芳香浴をするのもおすすめです。
サンダルウッド精油(学名:Santalum album)
サンダルウッドは、白檀(ビャクダン)科の植物で日本でも昔からお香の原料として使われてきました。心の緊張や不安をやわらげリラックス状態へと導いてくれるので、瞑想をするときなどによく使用されています。同じように心を落ち着ける作用のあるベルガモットとのブレンドは、柑橘系の爽やかな香りもプラスされておすすめです。
ジュニパーベリー(学名:Juniperus communis)
ジュニパーベリーは、青緑の針状の葉を持つヒノキ科の常葉樹。主に果実(球果)から精油が抽出されます。甘さと苦みを含んだウッディ調の香りで、柑橘系、樹木系の精油との相性が良くブレンドして使用されることもよくあります。冷えやむくみを取り除く作用が期待されているので、ボディトリートメントなどでもよく使用される精油です。
アロマテラピーと現代社会
地球の環境汚染、健康不安の時代、人々が求めているのは「癒し」です。 ストレス過剰社会といわれる現代において、私たちの日常的な様々な心身の不調は、過度のストレスが原因になっていることが多く、不調の状態も人によって異なります。こうした心身のトラブルへの対処方法への関心が高まるなかで、アロマテラピーによって導かれる美と健康、リラクセーション効果が注目されています。
アロマテラピーとウィルス対策
アロマテラピーの抗菌・抗ウィルスに関しての歴史は古く、中世のヨーロッパでペストが流行した際、ハーブを酢に漬け込んだハーブビネガーを全身に塗った泥棒たちがペストにかからなかったことから「盗賊のビネガー」が流行するなど、古くから様々なハーブ(精油(エッセンシャルオイル)の主な原料)が活用されていました。
またティートリーは、オーストラリアの先住民族であるアボリジニの間でお茶として飲まれていた植物の一種だったため、ティートリー(お茶の木)と呼ばれるようになったといわれており、アボリジニの伝統的な治療薬としても古くから利用されてきました。
こうしたことから、現代の様々なウィルス対策にも、 精油(エッセンシャルオイル)の天然の抗菌・抗ウイルスの特徴を上手に活用し、生活に取り入れていただきたいと思います。
※参考資料・・・AEAJ公式テキスト
アロマテラピーの資格が役立つお仕事
アロマテラピーの様々な効能や取り扱いなど正しく理解するために学び、得た知識の裏付けとして資格を取得したい方が増えています。それに伴い最近では様々なシーンでアロマテラピーが取り入れられ、専門知識と技術を活かすことのできる職場も増えてきました。AEAJ(公益社団法人日本アロマ環境協会)のプロフェッショナル資格を取得しアロマテラピーのスペシャリストになると、携わることのできるお仕事の幅も広がります。
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アロマ関連商品のショップ
最近は、SNSなどを利用して、アロマテラピー関連の情報発信をするケースも多く、専門知識を身につけるために資格取得を目指す方が増えています。
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リラクゼーションサロンやエステサロン
近年のサロンでは、アロマテラピーの専門知識に基づいてブレンドした精油(エッセンシャルオイル)を使ってトリートメントを行うサロンも増えており、アロマセラピストのアロマテラピーに対するプロフェッショナルな知識が求められています。
また、ブレンドデザイナーやハンドセラピストの資格を取得し、技術を磨いていくことでお仕事の幅も広がります。
ホテルやスパ、スポーツジムなどに併設するリラクゼーションサロンへの就職や、独立してサロンを開業することも可能です。 -
診療内科
リラックスしてカウンセリングを受けられるよう、アロマテラピーを取り入れている病院も増えています。
また、鍼灸院、整体院、整骨院などの治療施設でも、香りでストレスを緩和させるなどのヒーリング効果が見直されています。 -
介護・福祉施設
リハビリやリラクゼーションのためにアロマテラピーを取り入れる施設が増えています。また、施設での抗菌などの対策として、精油(エッセンシャルオイル)の香りが有効活用されています。
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アロマテラピースクール
アロマテラピーに興味がある方から、アロマテラピー関連の仕事につきたい方、そして、アロマセラピストとして働く方まで、様々な立場の方がアロマテラピーに興味をもっています。学びの場では、カルチャースクールからアロマテラピー専門のスクールまで様々です。
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アロマテラピーのスペシャリストになるための資格
<資格チャート>
会員以外でも取得可能な資格
会員対象のプロフェッショナルな資格※1
※1 会員対象のプロフェッショナルな資格を取得希望の場合は、AEAJへの入会が必要となります。
アロマテラピー検定(1級2級)
アロマテラピーの基本的な知識を備え、自分自身やご家族、ご友人など共にアロマテラピーを楽しみ役立てる能力を認定する資格です。
履修内容 | アロマテラピーに必要な精油の基本知識など |
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こんな方にオススメ |
・・・など |
アロマテラピーアドバイザー
アロマテラピーに関する知識を備え、安全性や法律面から正しく社会に伝えることができる能力を認定する資格です。
プロフェッショナルとして販売に携わったり、一般の方に安全なアロマテラピーをアドバイスするのに適しています。
履修内容 | 精油の安全性、アロマテラピー関連法規など |
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こんな方にオススメ |
・・・など |
アロマテラピーインストラクター
専門家として、安全で正しいアロマテラピーの実践方法を一般の方へ始動できる能力を認定する資格です。
アロマスクールやカルチャー教室の講師としてはもちろん、ボランティアなどを通して教育活動に携わるのに適しています。
履修内容 | 解剖生理学、ボラティア論、メンタルヘルス、アロマテラピー教育など |
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こんな方にオススメ |
・・・など |
アロマセラピスト
一般の方にトリートメントやコンサルテーションを含めたアロマテラピーを提供できる能力を認定する資格です。
プロのアロマセラピストとして、あるいはボランティアとして、第三者にアロマテラピーを実践するのに適しています。
履修内容 | 解剖生理学、フェイス&ボディトリートメントの理論と実技、ホスピタリティとコミュニケーション、コンサルテーションなど |
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こんな方にオススメ |
・・・など |
アロマブレンドデザイナー
精油を組み合わせてブレンドすることで、さまざまなシーンや目的に合ったオリジナルの香りを創作することができる能力を認定する資格です。
ブレンドの知識や技術をアロマテラピーを行う際に活用することや、創作した香りを楽しみ、その魅力を伝えるのに適しています。
履修内容 | 香りの特徴をとらえる方法、ブレンド実習とクリエーションなど |
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こんな方にオススメ |
・・・など |